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「篠笛でJ-POPの曲を演奏したいけど、篠笛譜が見つからないのですが」という問い合わせをする人が多くみられますが、残念ながら一般にはJ-POPの篠笛譜(数字譜)というものはほとんど流通していません。このため、篠笛を演奏する人のほとんどは、五線譜で書かれたメロディ譜やピアノ譜等を代用して演奏しているのが実態です。 しかし、ピアノ譜等の五線譜は、篠笛の最低音(一)より低い音域の音符が出てきたり、半音記号(♯,♭)の多いオリジナルの調号のまま書かれていたりして、フルートのような半音キーを有しない篠笛では、そのままでは演奏が困難な場合があります。 このような問題で困っている人のために、このページでは、篠笛の音域から外れたり半音記号が多い五線譜から、篠笛で演奏し易い数字譜(一、二、三…)に変換する方法について解説します。合わせて、これらの作業を自動で計算してくれるエクセル(篠笛の自動移調Excel)も紹介しています。 フルート等の西洋楽器経験者が篠笛を始める場合は、五線譜のまま読譜されるケースがほとんどだと思いますので、その場合の移調方法については↓のページをご参照ください。 【篠笛演奏における移調について】
半音も含めた詳細な運指表は↓のPDFファイルを開いてください。 詳細篠笛(7孔)運指表 なお、上に示す五線譜は、一般的な実音楽器で用いられる絶対音高ではなく、篠笛等に用いる移調楽器用の相対音高譜になります。一部の教本では下の右図のようにアウトプット用の実音五線譜を基準に表記している場合がありますが、篠笛奏者が譜読みする際は全ての調子に左のインプット用五線譜だけを共通に用いればいいのです。
また、音符の覚え方は、「ド、ミ、ソ」のように必ず一音一文字読みとするのが鉄則です。数字譜の「一、三、六」を「いち、さん、ろく」などと音読みしてはいけません。この読み方では、一音二文字読みとなってしまいメロディーが崩れてしまいます。下の数字譜の一音一文字読みは私の師匠が使っていた訓読みによる方法ですが、特に決まりはないので自分の覚えやすい読み方を使えばいいと思います(私は「五」は紛らわしくないよう「ご」と読んでいます)。
例えば↓の「海の声」の楽譜では、オリジナルkeyがホ長調のため、半音記号(♯)が4つも登場し、指孔半開を多用しなければなりません。特に「二メ」の半開を押さえるのは難しく、できれば回避したい運指です。 このため、篠笛ではできるだけ半音記号が少ない調(ハ長調、ヘ長調、ト長調等)に移調して演奏するのが一般的です。 以下では、半音記号が多い調号の五線譜から、半音の少ない数字に変換する方法について説明します。
これにより、どの調の曲であっても、下の篠笛の指孔配置と同じ「全音、全音、半音、全音、全音、全音」の並びに合わせることができますので、半音記号の多い調号の曲であってもハ長調の基本運指でドレミが演奏可能となります。なお、カラオケマシーンでは任意のkeyに調整が可能ですので、どの調子の笛であっても合わせることが可能です (カラオケ伴奏のkeyの合わせ方)。 通常、篠笛の数字譜あるいはカタカナの「ドレミ…」で譜読みをしている人なら、五線譜の下に、篠笛で演奏し易い調に移調した後の相対音高での「ドレミ…」又は「一、二、三…」を書き込んでいけば簡単に移調できます。最初から数字譜で覚えている人は、この方法で演奏している方が多いようです。
「篠笛自動移調Excel」ファイルダウンロードは↓から(ブラウザによる表示では動作しません。一旦PCにダウンロードしてExcel機能を活かした状態で動作します)。 |
篠笛自動移調Excel(チェックボックス版)のダウンロード 動作が重い場合や、表計算ソフトの互換性等によりチェックボックス選択がうまく動作しない場合は、下の軽負荷(プルダウン選択)版をダウンロードしてみてください。 篠笛自動移調Excel(プルダウン選択版)のダウンロード 篠笛自動Excelの使い方はこちら |
上の法則に則って基準音を求めれば、その他の調号の音符についても数字譜起こしすることができますが、見やすいように各調の対応譜(移動ド)を以下に示しておきます。演奏したい曲の調号の対応譜を見ながら、五線譜の下に数字譜を書き込んでいけば、どの調の曲であってもハ長調(半音を用いない)運指に移調した演奏が可能となります。なお、[一]より低い音符がある場合や、全体的に甲音ぎみとなる場合などでは、1オクターブ上げ下げして演奏し易い音域で書き込んでいけばよいでしょう。
以下では、比較的半音が出し易く、篠笛でよく使われるへ長調運指の基準音の求め方と対応譜(移動ド)を示します。例えば、上の「海の声」の例では、下の「ホ長調→ヘ長調」の対応譜をもとに五線譜の下に数字譜を書き込んでいます。 ちなみに、「海の声」をヘ長調(#4つ → ♭1つ)に移調した譜を用いて、西洋楽器の伴奏(カラオケ)で演奏したい場合は、このページ(篠笛演奏における移調について)にある適用調子表によれば、七本調子を用いることで音程を合わせられることが分かります。 へ長調は、シ♭(七メ)の半音が一つだけ登場しますが、左手人差し指ですので比較的優しい半音操作となりますし、「0」ポジションを用いることもできます。
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① 篠笛の選び方と使い分け【その1】 ② 篠笛の選び方と使い分け【その2】 ③ 篠笛演奏における移調について ⑤ 篠笛演奏における息コントロールと音質に関する考察 ⑥ 篠笛の上達法 〇 篠笛の自動移調Excel |